大志学園1年目、初めての受験
前回のブログに書いたように、次の年に向けての不安を胸に抱えながら、自分の将来を『大志学園』に預けてくれた高3生たち全員を無事大学生にするというミッションを達成すべくラストスパートの時期を迎えていました。
年末、冬期講習は確か当時の天皇誕生日の12月23日から12月30日までのスケジュールで行い、
私たちも目いっぱい授業や個別のフォローなどで生徒と全力で向き合いました。
その冬期講習に入る前の数日、受験校を決めるため、保護者との懇談会を個別に催しましたが、12月中旬年末の忙しい時期で時間を取れない保護者の方も数名いました。
この数名の保護者の方々が大晦日31日でもよいので、時間を取って、子どもの受験に対する『大志学園』の見通しや、受験の仕方などもろもろ説明してもらいたいと申し出をいただきました。
ほんとうに、自分の子供の将来に対して熱心に考えている保護者を持つ学生に通ってもらっているのだと、背筋の伸びる思いで、その申し出を受けさせてもらいました。
また、新参者で実績のない塾である『大志学園』に任せておいても大丈夫なのかと考える保護者の方がいても不思議ではないとも思い、精一杯受け止め、安心して受験に向かってもらうために、資料を揃えて保護者との懇談に向かいました。
ちなみに、
『大志学園』では、スタート当時も26年たった現在も、保護者の方々との懇談は、生徒たちの受験成功に向けて、とても大切な時間であると位置づけています。
懇談は現在の成績や受験への見通し、受験のシステムを説明する場でもあるのですが、それ以上に大切なのは、懇談を通して、受験勉強を平穏に進める環境づくりと考えています。
我々から生徒の塾での姿を報告させてもらい、保護者からは我々が見ることのできない家庭での姿を聞かせてもらう、情報交換の場であります。
高校生くらいになると、往々にして親とコミュニケーションを取りたがらない傾向にあります。
だから、親は受験前の自分の子どもが何を考えているのか、
子どもに何をしてあげればよいのか、
どんな言葉をかけてあげればよいのかがよくわからなく戸惑ってしまい、
気持ちや言葉の齟齬が生じてしまいます。
その結果、親子間に不穏な空気が生じ、平穏な気持ちで受験に向けて勉強するという第一義が損なわれてしまうことがあります。
だから、懇談では、保護者の気持ちを伺い、我々が知りうる生徒の気持ちを代弁し、出来る限り家庭内で生じる齟齬を減らし、平穏な気持ちで勉強に向き合えるように仲立ちする目的も併せ持っています。
大晦日、その日は時間に余裕があるので、午前中から夕方まで数名の保護者の方々とできる限り丁寧に話をすることができ、安心してもらえる良い懇談をさせてもらえました。
生徒が一人もいない不安と恐怖をいつも心に抱きながら過ごしたスタートの1年目の最後の日、夕方まで意味のある仕事をさせてもらえたのは本当に嬉しいことでした。
ちなみに、この大晦日、来ていただいたのはすべてお父さんだったと記憶しています。
保護者との懇談をすべて終え、実家に帰るころには、日もどっぷり暮れ、お正月の用意を済ませた街の中は閑散としていました。
これにて、『大志学園』1年目、何とか無事に終えることができました。
(つづく)
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