まずは、生徒の「わからない」を解決してあげる
第26話のブログで、トップ校に通う高1生で、成績が学年の下から数えて1桁の女の子が、トップ校に通う生徒第1号として冬休みの前に『大志学園』に入ってくれたという話を書きました。
この女の子は、他の生徒たち同様に3学期、徹底的に頑張ってくれました。
その結果、学年末試験で成績が飛躍的にアップしました。
彼女が飛躍的に成績をアップさせたことを、その友達たちが聞きつけて、「私も」、「私も」と数人の新高2生の女の子たちが、『大志学園』に入って来てくれました。
当時も、今も、進学校の高1,高2生の勉強の中心は数学になりがちです。
彼女たちも、苦手な数学を頑張ってやろうとしてはいたが、わからないことが次から次へと出てきて、そのわからないことを解決できずに、モヤモヤとした1年間を過ごし、最初の女の子と同じように、成績は下から数えたほうが早い状況でした。
『大志学園』のモットーは、『まずは、生徒の「わからない」を解決してあげる』でした。
だから毎日のように自習室に呼び、学校で習った内容を、同時進行で復習し、とにかく「わかる」ように、粘り強く、丁寧に指導しました。
その結果、ある程度までは、みんな早々にできるようになりました。
流石、進学校の生徒たちです。
そして彼女たちは学年順位も下から数えたほうが早いというような状況からはほどなく脱出でき、彼女たちはご機嫌に『大志学園』に通ってくれるようになっていました。
しかし、丁寧に教えてもらい続けなければ、「わからない」状態になってしまうようでは、難関大の入試を超えることはできません。
彼女たちが望む大学への進学を考えると、自分で教科書や参考書を読んで勉強できるような力をつけてあげる必要性があるという新たな課題が見えてきました。
自分で「わからない」を解決する力をつける
『大志学園』のモットー『生徒の「わからない」を解決してあげる』だけでは、もう1ステップ上の生徒の潜在的なニーズに応えることはできない。
そのために、『自分で「わからない」を解決する力をつけてあげる』ための指導が必要であるということが、新たな課題として『大志学園』に突き付けられました。
この課題を克服するためにどうすればよいのか、しばらくの間、考えに考え、悩みに悩みましたが、明確な答えは見つかりませんでした。
そんなある日、ふと立ち寄った書店で手に取った1冊の新書本が私に大きなヒントを与えてくれました。
国語学者の大野晋(おおのすすむ)先生著の『日本語練習帳』(岩波新書)という本でした。
この書の中には、どうすればよりよく日本語を読めて書けるようになるか、何に気を付け、どんな姿勢で文章に向きあえばよいのか。
文の組み立て、文章の展開など日本語の骨格を理解し技能をみがくための日本語のトレーニング法を記した本でした。
私は、この本を読み、目から鱗が落ちたような気がしました。
さらに、何度も何度も読み返し、自分自身も理解するために、その書に書かれていた、トレーニングをやってみました。
結果、これはいけるかもしれないと思いました。
難関大に合格するためには、国語力をつけることが最優先である。
日本語を、正しく早く読む力を身に付ければ、国語の力がつくのはもとより、すべての教科・科目の教科書や参考書は日本語で書かれているので、読むことができるようになる(=日本語での理解力が上がる)ので、自学自習ができるようになるはずだ、と考えました。
そう思うと、いてもたってもいられず、早速、この『日本語練習帳』を参考に、彼女たちが具体的にトレーニングできるように、カリキュラムを考え始めました。
(つづく)
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