前回のブログに書いたように、
塾講師のアルバイトを始めて3カ月ほどの間は、『自分は先生には向いていない。学年が変わるときに辞めよう。』とネガティブに考えて生徒の前に立っていました。
授業をどんなふうにしたらよいのか?
生徒とどのように接したらよいのか?
わからないのに、考えようとも解決しようともしていませんでした。
ただ、生徒にナメられてはいけないと肩肘を張り、偉そうに先生づらをし、生徒と向き合うこともせず、下手糞な授業の真似事をするだけでした。
当然、生徒たちが私を頼ってくれるはずもなく、毎回の授業中も冷たい視線を感じ、さらにネガティブな気持ちになりました。
完全に負のスパイラルです。
今になって思えば、何の努力もせずに、ただ逃げていただけでした。
「教える前に、聞くことが大切!!」
しかし、生徒たちといろいろと話すことで、生徒たちとの接し方がわかってきて、生徒の困っていることも見えてくるようになりました。
「何を欲しているのか」がわかれば、上手、下手はあっても、「生徒の欲すること」を提供することはできます。
それが少しできるようになったので、私は生徒から要らないと思われることはなくなったのでしょう。
最初の冷たい視線が少しずつ温かい視線に変わってゆきました。
生徒に勉強を教えるつもりでいたのに生徒に教えられました。
相手のことを知らなければ何もできないということを教えられました
ビジネスの世界で「顧客の潜在的ニーズを掴むことは大切」という言葉がありますが、
勉強ができるようになり、点数が上がって、○○高校に合格するというのは「顕在的ニーズ」で、塾の先生にとって、生徒の「潜在的ニーズ」は『○○な大人になりたい、将来○○をすることができるような人間になりたい』という潜在的な欲求を引き出してあげ、それをふまえた上で勉強に向き合ってもらうことである。ということが分かるのは後々のことです。
それ以来、当時の私は、生徒から要らないといわれないように、生徒ひとり一人の気持ちを理解しようと必死で奮闘していました。
(つづく)
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